About"TOMMY"

12/05/2013

#59 Woman Power

アイデンティティを確立したフィメールDJ。

女性DJ(以下フィメールDJ)の活躍が目覚ましい昨今。フィメールDJの代表的なアイコンとして挙げられるのはまずDJ KAORIやDJ MAYUMIだろう。クラブ、
アンダーグラウンドというサブカルチャーな枠組みを超え、様々な
メディアに露出し、多岐に渡り現在も活躍している。クラブカルチャーに興味
がないひともこの2人の名前は知っている人が多いのでは。と思い、例に出してみた。
一般の人にまで浸透し、フィメールDJというカテゴリをメインストリームの域まで押し上げたその功績は大きい。ここでは省略させて頂くが、厳密に言えばその他にも様々なフィメールDJがシーンを盛り上げ、男性顔負けの実力でメキメキとその地位を押し上げてきたのだ。フィメールDJというのは見た目にも美しい上に、モニターヘッドフォンに装飾を施したりとヴィジュアルの細かな部分にも妥協はしない。女性らしいこだわりとセンスはその選曲やテクニックにも見ることができる。ミラーボールとレーザーライティングが輝くダンスフロアジャングルを盛り上げるその姿は、ナイトアウトに華を添え、もはやパーティには必要不可欠な存在となった。見事、フィメールDJはミュージックシーンでそのアイデンティティを確立したのだ。

御年40歳を迎えるこの人(?)DJ Hello Kittyもそのムーヴメントに名乗りを挙げ
現役バリバリの第一線で活躍している。耳ではなく頬でモニタリングしている姿が何とも愛くるしい。 

2013ー14 注目のフィメールDJ

前置きは先述したとおり、フィメールDJはアイデンティティを確立し、群雄割拠の黄金時代がまさに今。フィメールDJは数え切れないほど大勢いる。僕も知らない人の方が多いんだけれどそんな中でも注目の3名を今回紹介したいと思う。完全私的な独断と偏見+僕自身が、過去にイベントでご一緒させて頂いたことがある方13ー14の年末年始にかけてフェスクラスのビッグパーティに出演予定がある方、この2点を共通項として念頭において選び紹介させて頂こう。

まず1人目は、つい先日山梨にも来てくれたDJ QP
EDMやキャッチーなプログレはもちろん、テクノやディープハウスなど、クセのあるアンダーグラウンドサウンドすらも巧みにコントロールして広く人気を獲得している。アジア、ヨーロッパでもその活動の幅を広げ、その実力は折り紙付き。11月に発売したばかりのミックスCD「SONICA」はイビザ滞在中に吸収した本物本場の空気感をQPというフィルターを通しコンパイルした1枚。ショップやお部屋のBGMにドライブに、どこにでもハマり、水のようにスッとその場の空気に馴染み、洗練された印象に引き締めてくれる。
Sonica Djqp 
価格: ¥ 2,100
レーベル: INFAS MUSIC



ROAD TO ULTRA JAPANの出演が決まっている。





2人目は今年6月に表参道の現場でご一緒させて頂いた
DJ RINA


top40など押さえるところはバッチリ押さえ、リミックス系の引き出しも豊富。男性も顔負けの黒くて骨太なHIPHOPやトラップも網羅する。
容姿の美しさからは想像もつかないパワフルなサウンドを操るパワープレイは男女ともに
人気を博し、ダンスフロアに熱狂の渦を巻き起こしている。
ヒットナンバーをダンスチューンにドレスアップしたミックスCD「PARTY HITS R&B ~GIRLS STYLE~」シリーズは聴きやすく、ダンスミュージックのテキスト的な1枚である。いつでもどこでも、ノリのいいグルーヴ感を演出してくれる内容となっている。
PARTY HITS R&B ~GIRLS STYLE~ Mixed by DJ RINA
価格:¥1,890
レーベル:GROOVY


そして最後3人目は
麗しのサウンドモンスターDJ RIE

何度も山梨にplayしに来てくれている彼女は、小柄ながら毎回恐るべきポテンシャルとパワーでフロアを飲み込んでいく。HIPHOPはミドル、ニュースクール、マッシュアップ、トラップ、エッジの効いたハウス,エレクトロミュージックからベースミュージックまでその懐の広さは計り知れない。まさに音楽が形成した混合獣(キマイラ)。DJ RIEという強烈な個性の塊がスピーカーから炸裂するとたちまちフロアは沸き踊る。

DJ RIE MIX CD “ CHIDI CHANGE”
価格:1575円
この1枚はきっと、あなたのHIPHOPの概念を変えてくれる、もしくは刷新してくれる1枚かもしれない。そしてその魅力を再発見できる。ハイセンスなセレクト、各々の楽曲が、音によって紡ぎ出す世界観は直球でかっこいいと思える。HOSTにAKLOを起用しているところも聞き逃せない。

DJ RINA,RIE共に、年明け1発目のEDMビッグフェスelectroxに出演決定のアナウンスがつい先日ネット上に流された。


この2人の共演が大きな舞台でみられるのはなんとも贅沢。今からとても楽しみ。

以上3人の注目のフィメールDJを紹介させて頂いた。私的なセレクトではあるがぜひ、
時間が合うときには彼女らの出演するパーティに行って見て体感して欲しい。
3人とも国内外を含め現場での経験量は膨大。勘違いしてほしくはないので念の為書いておくが、昨日今日DJを始めて、このように若手のホープとして注目され活躍しているわけではないということ。何年も実績を積んでこその賜物であり、まさに根っからの叩き上げ精神でその頭角を顕して来た人達である。しかしながらDJの世界は20年選手もザラにおり、大体ベテランというとそれほどのキャリアを持つ大御所を指すことが多いのである。そしてこの3人以外にも個人的に好きなフィメールDJはたくさんいる。数え切れないし書ききれないので今回は、年末年始にビッグフェスを控え、過去に恐縮ながらイベントで共演させて頂いたという部分で3人に絞ってご紹介させて頂いたことを承知して欲しい。

フィメールDJの魅力とは。

MCなので僕はプレイ中のDJの手元を見ていることが多い。特にミックスのタイミングでは注視する。なにか言葉を入れるべきか否かをその時に判断する。ミックス部分を聴かせたいであろうタイミングのときは喋らないし、カットインや曲の印象が変わるときは、シャウトして、など、そんな風にPC画面やDJの手元を見ながら色々思考を巡らせてDJともコンタクトを取りながら喋らせて頂いているわけだが、女性の繊細な、美しい手つきでミキサーのツマミやフェーダーを弄っているのを見ているのはなんとも悩ましいものである。下世話な話しはさておいて、僕が思うフィメールDJの魅力をお話すると、ヴィジュアルと音楽性やDJプレイのギャップを楽しむということ。そして、矛盾にあたるかもしれないが、ヴィジュアルに沿ったキャラクター作り、ブランドの構築という点も見所あるファクターといえる。なによりセルフプロデュース、ブランディング力はフィメールDJの得意とするところ。ハウスミュージックの重鎮、フィメールDJとして世界で活躍するDJ YUMMYさんが山梨に来られた時におっしゃっていたのは、都内も海外も、地方でも、すべて自分で興行のスケジュールを管理し、1人で行くと。そっちの方が自分のスタイルに合っているし効率的で楽なのだという。そのバイタリティに感銘を受けたのは記憶に新しいが、今考えてみれば、当然といえば当然なのだ。彼女たちは音楽に対して非常にストイック。そして音を愛してやまないミュージックフリーク。そこに待っているファン、パーティを愛する人々がいるならば、彼女たちは躊躇いもせずに、現場に赴き、内に秘めた爆発的なパワーをサウンドに載せ我々の鼓膜に届けてくれている。そこには男性も女性もない。ファッション業界でもジェンダーレス化が進んでいる昨今、フィメールDJなんて呼称すらナンセンスなのかもしれない。華々しいスポットライトの当たった舞台で活躍する彼女たちが輝いてみえるのは、その分、影での努力や苦労があってこそのものだろう。単純にルックスだけでは生き残れない世界である。今やフィメールDJというのはなんら珍しいことではない。スタンダードでありその群雄割拠のシーンのなかでいかに個性とスキルを発揮し他のDJと差別化をするのかが肝心だ。今回紹介させて頂いた3人はそういった部分でも三者三様の色が出ていて、オリジナリティに長けていると個人的には思っている。そしてその洗練されたセンス、セルフブランディング力は音楽業界のみならず、アパレル、モデル、美容、といった女性に欠かせない分野にも進出、展開し、ファッションブランドのレセプションや新製品のローンチパーティ、インストアDJなど、その手腕を奮う場はクラブやフェスだけに限定されないのも、1つの見所であると僕は考える。それこそが、各々のDJが構築してきたイメージやそのDJが持つ個性を一般の人々へ浸透させるチャンスなのである。
本日勝手ながら紹介させて頂いた3人のDJを始め、インディペンデントマインドを携えて、自身のスタイルを確立する美しきフィメールDJの皆さんにはもっともっと大いに活躍してくれることを願う。

TEXT=Tomohisa Mochizuki
Photo/Graphic=Google imege search

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